2024年04月13日

April jazz

Carnation - Carla Bley & Steve Swallow



Afternoon In Paris John Lewis & Sacha Distel

  


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2024年03月25日

私的映画小説「ロング・グッドバイ」

 80年代の始め、私は大学生になっていた。
浪人していたが、その時もろくに勉強せず、なんとか福岡の西新にある
大学にもぐりこんでいた。
その大学もほとんど行かなくて、用事のない日々を過ごしていた。
その頃、マーヤと呼ばれている女の子と友達になっていた。
マーヤ、本名は誰も知らなかった。
彼女がどこに住んでいるか、どこに帰るかも誰もつきとめた奴はいないし、
親しい友達ほど、そういうことをする奴を彼女が軽蔑してることよく知っていた。
 その日は、バイトで少しお金が入ったから、天神の「ジュークレコード」でレコードを
捜していた。背後から肩を叩かれて、振り返ると彼女だった。
「こんにちは、何捜してるの。」
「やぁ、捜しているのはね、ブルースマンのハウリンウルフがクラプトンとセッションしてるやつ。」
「へえ~、そんなんあるの。」
「マーヤは。」
「わたしはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのライブ。」
私たちは、お目当ての「ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ」と
「1969~ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・ライヴ」を見つけ、それぞれ買った。
「ショッピングにつきあってよ。どうせひまなんでしょ。」
「予定はあるけど、キャンセルするよ。」私は嘘をついた。予定なんか何もなかった。
「薬院のパン屋さん、ダム・ド・フランスに行きたいの。車はある?」
「ない、歩くのは嫌い?」
「好きよ。だって風景をゆっくり見れるでしょ。それに3月の暖かい風を肌で感じられるから。」
私たちは電車で薬院まで行き、駅から歩いた。
そこの店には、たくさんの種類の「フランスパン」が並んでいた。
「フランスでは、焼きたてのパンがパチパチ言っているのを、パンの歌って言うらしいよ。」
「あんた、面白い人ね。」
「そうだ、近くに16区っていうケーキ屋さんがあるから、そこにも行っていい」
「いいよ、あそこのダックワーズ、美味しいよね。おごるよ。」
「ありがとう。」彼女は飛び上がって喜んだ。
九電記念体育館がある通りを歩くと、「ここでもライブ、よく行ったんだよ。」と
彼女が呟くと、「僕も行ったよ。ここでのサディスティック・ミカ・バンドは最高だったな。」
「高橋幸宏が、セーターーを首に巻いて、ドラム叩いてた。」
「あのバンド好き。センス抜群だから。」
通りを吹き抜ける風に、春の花粉の甘い香りが混じっていた。
「もっと歩こう。この街を瞳の中にしまっておきたいの。」
私たちは、けやき通りのところにある「モダンタイムス」まで歩き、そこで食事をした。
「私ね、この3月で大学を卒業したら、福岡離れるの。」
「私、神戸の出身なの。親の転勤で高校の時福岡に来て、大学もこっちで。」
「親は、とっくに神戸に帰ったけど。卒業したら帰ることになってんの。」
「関西の人なのに、なまりがないね。」
「うん。必死に消したのよ。いつでも、どこでも自由な旅人でいたかったから。」
「土地とか、人に縛られることなく生きていたいから。」
自由という言葉を彼女ほど自然に着こなす女性はいないと思った。
そして、これからもずっと自由に生きていくんだろうと。
彼女は寂しい目で、
「私、蜜蜂なの。蜜のかわりに想い出を集めて巣に飛んで行くのよ。」と言った。
「刺された男も一杯いるしね。」私は微笑んだ。
「なんでやねん、アホか。」と彼女は言って、綺麗に伸ばした爪で、
私の手の甲を突いた。
 それから私は大学を卒業して何回も関西に行き、神戸には知り合いも出来て
何回も行っているが、彼女とは一度も会っていない。

  


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2023年12月26日

冬に聴きたい!

冬に聴きたい!

Cheek To Cheek  Ella Fitzgerald, Louis Armstrong



Blue Moon    Billie Holiday


  


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2023年11月14日

私的映画小説「青春群像」

十九歳の頃だった。高校時代の3年間、全然勉強しなかった私は
当然どこの大学にも受からず、福岡にある親不孝通りと呼ばれる通りの
先にある予備校に通っていた。
 その女の子とは通ってた予備校の近くにあった喫茶店で知り合った。
店の名前は「勝手にしやがれ」というゴダールの映画から取ったものだった。
 先に話しかけてきたのは彼女の方だった。
「こんにちは」
「あなた、同じ予備校のクラスの人でしょう。いつも来るの?ここには。」
彼女はハーフみたいで、ラファエロの絵画にある天使のようなきれいな
顔の持ち主で、同じクラスにこんな子がいたなんて知らなかった。
「たまにね。近くにある500円で3本観れる映画館に行った帰りはここに来る。」
それから、私たちはヌーベルバーグの作品やポーランド映画、ATG映画、あと
アンディ・ウォーホールやルーリードやジムモリソン、チャーリーパーカー、コルトレーン
の話しをした。 
 それからこの店で何回か会っているうちに、彼女の部屋に行ったことがあった。
彼女は九州の西の端の基地の街から来ていて、一人暮らしをしていた。
彼女の部屋に入り、レコード棚をのぞくと、ジャズのレコードがたくさんあった。
「ロックはあまり聴かないけど、ドアーズとジャニスとピンク・フロイドは聴くの。」
「でもジャズが大好き。チャーリーパーカーが一番好き。」
「みんな天使になってしまうの。ジャニスもジム・モリソンもシド・バレットも。
そしてチャーリーパーカーもね。」
みんな若くして逝ってしまったミュージシャン達である。
私たちは、彼女が入れてくれたコーヒーを飲み、タバコを吸いながら、そして
どこからか手に入れた知らないけど、タバコじゃないものも吸いながら、レコードを
ずっと聴いていた。

すべてが息苦しく、不安な毎日。今の生活の先にある受験も、もっと先の人生にも、
すべてに手掛りがなく、不安な自分がそこにいた。

その後、何十年かぶりに彼女と偶然会った事がある。彼女はホテルのバーで働いていた。
私が「学校で働いている」と言ったら、彼女は大笑いして、
「あんたが学校で働いているの?まさか先生じゃないでしょうね。」
「先生じゃない」と言うと、
「安心した。歌う事より、歌い続けることがずっと大変で大切な事のように、
生き続けて何かを持続することが大切な事よ。」と彼女は言った。
そして、いつも私の気分を落ち着かせてくれた、あのラファエロの描く天使のような彼女の目は
あの頃と何も変わっていなかった

彼女も私も天使にはなっていなかった。
  


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2023年10月29日

JAZZと珈琲とコーラと

このブログでいろいろな音楽を紹介しているんですが、

ここ数年JAZZしか聴いてません。いろんな音楽を聴いてきたけどJAZZだけは

なぜか聴いてこなかった。別に嫌いというわけではなかったが、なぜか聴いてなかった。

それが、Charlie ParkerとThelonious Monkを聴いてすっかり。

JAZZを聴くと、思い出すことがある。

十七歳の頃だった。
ある同級生の女の子と親しくなった。小さくて、人形のような顔をしてて、無口な子だった。
たしか美術部に入ってて、進学校にいる、まじめでごく普通の女の子と思えた。
たまに一緒に下校したり、休みの日に会って、喫茶店で話しをする仲だった。
ほとんど喋らない子だったので、私が、今考えると本当にバカバカしい話題で喋ってた。
その子は、私の話しを聞いていてはくれたけど(本当はくだらなくて、興味なくて、聞いていたふりを
してたんだと思う)。
ある日、その子が「今日は、私の知っている店に行こう。」と言った。
いつもは、田舎の少しは洒落た喫茶店に行ってたんだが。
駅から少し歩いたところにその喫茶店はあった。「ルーレット」という名前の店だった。
扉を開けると、そこは少し薄暗く、店内はJAZZが流れていた。
私達はテーブルをはさんで向かい合って椅子に座り、飲み物を注文した
(彼女は珈琲、私はコーラだったような気がする)。
私は、「小さくて、人形のような顔をしてて、無口な、見た目ごく普通の進学校の女の子が
こんなJAZZ喫茶に。」と驚いていた。
そして、大半の女子達は、制服の下は白い靴下を履いているのに
その子は、時々黒い靴下を履いていたことを思い出した。
それが何故だか、分かったような気がした。

「どうしたの?びっくりした?」
「うん。ちょっと」
「ねぇ、ソウルトレインっていう番組、知ってる?」
「いや、知らない。」
「そう」

これ以上のことは、何も憶えていない。

その後、その子とは会うことはなく、高校を卒業してしまった。
噂で聞くと、その子は大学の建築学部に行き、建築家になったらしい。

私は、大学生になってから黒人音楽をたくさん聴き、今JAZZを聴いている。
あの頃の彼女は、そんな音楽をたくさん聴いていたんだ。
建築家を夢見てることも何ひとつ聞いたことはなかった。
もっとたくさん話しをしとおけばよかったと思っている。

もう会うことはないと思うけど、会えるものなら
会っていろいろなことを話してみたいものだ。

Bill Evans Live - Someday my Prince Will Come





  


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2023年09月30日

秋 JAZZ

Red Garland Trio   September In The Rain



Wynton Kelly Trio - Autumn Leaves



Thelonious Monk    Lulu's Back In Town




  


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2023年08月16日

まだまだ 夏 これどうよ!


Donald Byrd - Lansana's Priestess



Ornette Coleman - Bourgeois Boogie



Houston Person Jamilah

  


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2023年08月01日

夏に聴きたい!!

夏に聴きたい!

Summer Days /Lonnie Liston Smith · The Cosmic Echoes



Tristeza / Toquinho



Aldo Romano / The Blessing



  


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2023年07月18日

橋本一子

「duo」 橋本一子&中村善郎


橋本一子と日本のボサノヴァの第一人者、ギタリスト&ヴォーカルの中村善郎

2人の新感覚のボサノヴァアルバム。

橋本一子は、矢野顕子の産休中、YMO初の国内ツアー

「TECHNOPOLIS 2000-20」をサポートした人です。

音楽好きなら、ツボにはまる箇所は最低でも5~6箇所はあるはず。


My Cherie Amour



Eu Quero Um Samba





  


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2023年07月01日

夏 JAZZ

Mystic Brew / Ronnie Foster



Brazilian Suite / Michel Petrucciani



More More Amor / Wes Montgomery






  


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2023年06月12日

jazz bossa

Los Ojos Alegres (The Happy Eyes) / Duke Pearson



My Little Suede Shoes / Dave Pike



Samba Cantina / Paul Desmond

  


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2023年05月30日

夏が来る前に

夏が来る前に、梅雨の季節に

部屋で聞いても、車で聞いても

こんな音楽は。


Só Danço Samba Getz/Gilberto




St. Thomas Simon Nabatov Trio



Blue Bossa The Big 3



  


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2023年04月11日

坂本龍一 超私的選曲

坂本龍一 超私的選曲

1 Coda    
   
   収録されているピアノ一台で弾かれた「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」

2 フォト・ムジーク

3 B-2 unit

4 heart beat

5 テクノデリック 

  BGM

  YMOミーハーファンぶっちぎりアルバム

6 ザ シェリタリングスカイ

7 FAKER HOLIC YMO WORLD TOUR LIVE



  


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2023年04月07日

坂本龍一に捧げる 2

坂本龍一に捧げる 2


Film Music of John Barry    John Barry

Hatari!   Henry Mancini

1900年   Ennio Morricone

UN HOMME ET UNE FEMME      Francis Lai

Blade Runner                 Vangelis

西部劇主題歌集

Nino Rota Plays Nino Rota        Nino Rota

The Best of Ennio Morricone       Ennio Morricone

Midnight Cowboy               Soundtrack

Diva Vladimir Cosma

2001年宇宙の旅 Soundtrack

  


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2023年04月06日

坂本龍一に捧げる

坂本龍一に捧げる


The Best of Elvis Costello and the Attractions Elvis Costello

The Man Machine                     Kraftwerk

Another Green World                   Brian Eno

Caetano Veloso                       Caetano Veloso

Mais                               Marisa Monte

ELIS&TOM                         ANTONIO CARLOS JOBIM & ELIS REGINA

Live in Montreux                      Joao Gilberto

Burt Bacharach

Struttin'                            The Meters

ほうろう                            小坂 忠

美空ひばり全曲集                     美空ひばり

僕の音楽人生                        服部良一

Cool Struttin'                        Sonny Clark

Miles in Berlin                       Miles Davis

Bill Evans Trio with Symphony Orchestra     Bill Evans

Maiden Voyage                      Herbie Hancock

二胡の世界                          姜建華

              
  


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2023年04月02日

坂本龍一

坂本龍一 死去。

高橋幸宏 鮎川誠 次々に・・・。


Merry Christmas Mr.Lawrence

  


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2023年01月30日

鮎川 誠

高橋幸宏の訃報を聞いたばっかりなのに、また悲しい知らせが届いた。

「鮎川誠さん、膵臓がんのため死去」

出身も、高校も一緒。鮎川さんの知り合いも、たくさん知っているし。

そんなに近しいというわけではないけど、何か身近な人が亡くなった感じ。

鮎川さんが言ってた、「愛と正義と勇気」

(これは先に逝ったシーナさんが言ってったらしいけど)

教えてくれたね。


「人生で大事なのは、何になるかではなく、その生き方だ」

いろんな生き方がある。人それぞれです。ただ、ロック的な生き方をする人間はいる。

ロックは、自由、アドリブです。アドリブ的な生き方、明日はどうなるかわからない。

刹那的かも知れない、流れで生きていくかもしれない。

でも、誰からも指図されることなく、自由で縛られるものがない。

すべてに意味づけする必要はない。意味づけなんていらない。

生きるということは、そのまま。今を生きているていうこと。

鮎川さんの生き方、音楽は、僕も頑張るんだ、生きていくんだと元気づけてくれたものだった。

鮎川さんの激しいピュアなロックは、「やりたいことが見つからない」なんて思っている人が

聴けば、きっとその言葉が情けなくなるのではないかな。

天国で待つシーナさんのもとに、駆けつけているでしょうね。

ご冥福をお祈りいたします。




Ray Charles - What'd I Say LIVE












  


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2023年01月07日

North Marine Drive

冬の日 この曲。


North Marine Drive Ben Watt

  


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2022年12月31日

Someday My Prince Will Come

それぞれの人のMy Prince (希望 願い)が訪れますように!

Someday My Prince Will Come  Miles Davis

  


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2022年12月23日

Christmas jazz

Charlie Parker - White Christmas (Live jazz, 1948)



Bill Evans  Santa Claus Is Coming to Town



Norah Jones - Christmas Calling (Jolly Jones)



  


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2022年12月04日

冬 JAZZ

Norah Jones - Wintertime



Everything Happens to Me     Duke Jordan



  


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2022年11月10日

秋の夜長に楽しむ

Norah Jones - Carry On



Neil Young - Harvest Moon



  


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2022年11月03日

秋です。 音楽 

Louis Armstrong

When You'Re Smiling



Wynton Kelly Trio - Autumn Leaves

Charlie Parker "Autumn in New York"



  


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2022年10月22日

秋 音楽

秋の音楽 どうでしょう?

Jacques Loussier Trio - L'Autunno (Autumn) Allegro



Norah Jones - Come Away With Me



Teotima - But I Can't



  


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2022年10月01日

ちむどんどん

朝ドラ ファンです。実は。

途中ブランクはあるにせよ、「おはなはん」から

みてます。

「ちむどんどん」終わりました。

いろいろ言われてたけど

良かったですよ。役者さんたち、皆さん良かった。

今日の唄
BEGIN/島人ぬ宝


  


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2022年08月29日

夏の終わりに

Felicidade    Bob Brookmeyer



Ballaké Sissoko - Nan Sira Madi | A COLORS SHOW



  


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2022年08月03日

夏 JAZZ おすすめ

Toquinho  Tristeza



Simon Nabatov Trio   St. Thomas



Sonny Rollins The Most Beautiful Girl in the World

  


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2022年07月06日

トランペット(ワンホーン) お薦めアルバム

Joe Wilder 「 Wilder N' Wilder 」

Cherokee


 Ted Curson 「Fire Down Below」

Fire Down Below


Howard McGhee 「Maggie's Back In Town!!」

Demon Chase


  


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2022年07月02日

トランペット(ワンホーン) お薦めアルバム

Blue Mitchell  Blue's Moods

I'll close my eyes


Lee Morgan  Candy

Candy


Booker Little  Booker Little

The Grand Valse

  


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2022年06月30日

トランペット(ワンホーン) お薦めアルバム

今回からトランペット(ワンホーン)

今回からはアルバムで紹介。

Kenny Dorham   Quiet Kenny



Art Farmer    Art



Clifford Brown   Paris Collection

It Might As Well Be Spring






  


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