昨年10月急逝した加藤和彦。彼が遺した貴重なエッセイ集
「優雅の条件」を読んだ。
80年代、最も充実していた時期に生活の様々なことについて書かれた
本である。たとえばこんな項目、
自分のスタンダードを持たねばならない。これを持っていると
とても気持ちがいい。
自分のスタンダードというのは、自分の好みと思っても良いのだが、
好みといっても単にこれが好き、あれが嫌いということではなく、
好きでありなおかつ心地よいということである。 ・・・・・
「自分のスタンダード」
優雅、もしくは優雅に見えるというのは生活を楽しんでいる人にだけ
与えられる特権みたいなものである。
生活を楽しむというのは、年中遊んでばかりいることではなく、仕事も
楽しみ、遊びも楽しみ、食事などももちろん楽しみ、すべてを自分の
意思でもって楽しむということだと思う。
遊ぶために働くという考え方もあろうが、これでは働くという部分が
楽しみではなくなってしまう。 ・・・・・
「優雅の条件」
とても加藤和彦みたいには生きられないけど、自分なりに優雅に生きていけば
何か素敵なものに出会えるかもしれない。
どんな時でも無理せず、人生で何が大切かを考え、自分を見失うことなく、
自分らしく生きていけば。